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CHAPTER W
第四章
ACOUSTICS.

音響学


Fig.        
107 Vibrating Body

振動する物体
音は、ある種物体の運動によって生じ、それに引き続く振動により、耳に達する。最初に振動する物体は、sonorous(鳴り響く)といわれる。音を伝える物体は、medium(媒体)と呼ばれる。重要な媒体は、大気であるが、木、金属、水なども、同様に媒体である。  
108 Sound-wave in Air

大気中の音波
音波は、鳴り響く物体の振動により、大気中に造り出される。振動が、濃密なパルスと、希薄なパルスを交互に造るが、これが音波である。   
109 Bell in a Vacuum

真空中の鈴
何らかの媒体が、音の伝搬に不可欠なことは、次の実験でわかる。
ガラスの球に気密栓を付けたものにベルを吊す。球を揺り動かすと、ベルの音ははっきり聞こえる。空気が球から排出されると、球を揺り動かしても音は聞こえなくなる。
110 Reflection and Refraction

反射と屈折
音波は一点から同心状に広がる。障害物に出会うと、跳ね返るが、あたかも物体の反対側に、全面にあったのと同じ中心があるかのような、新しい波を形成する。この現象を反射という。
屈折は、光線において見られる方向の変化である。光線が斜めに、二つの異なる媒体を通過するときに見られる。
  
111 Speaking Tube

伝声管
M.ビオットは、低い声調で、管を通じて千フィートの距離で会話を行うことができた。音は大変良好に伝搬するので、盗み聞きを防ぐには黙っているしかない、と彼は言っている。
管のこの性質は、ホテルや住居で、用件をある階から別の階に伝えることに活用される。この目的に用いられる管は、伝声管と呼ばれる。伝声管の使い方は図に示したとおりである。
112 Speaking Trumpet

拡声器
拡声器(拡声トランペット)は、その名が示唆しているように、円錐形の管であり、長大な距離に声を伝えるために用いられる。それは消防士や、図のように、船員によって用いられる。
拡声器を用いることによって、船長の声は嵐の風や波の騒音を超えて聴くことができる。キルヒャー神父によれば、アレクサンダー大王は、かれの軍勢を指揮するのに拡声器を使用した。
拡声器の効果は、この器具が作られている音響学的材料により、音波が連続的に反射する事により説明される。その結果、声は管の指向する方向にのみ、伝えられる。
113 Ear Trumpet

補聴器
補聴器は、のように聴覚に障害のある人によって用いられる。これは、拡声器を反対にしたものにすぎない。
 ………
人間や動物の耳の形は、トランペットの機能を果たす形になっている。
114 Tuning Fork

音叉
音叉は、ピアノのような楽器を調律するのに用いられる道具である。
 ………
音叉は、通常A音を出すように造られている。これは、毎秒856回の振動に対応する。
115 Sonometer

ソノメーター
弦の横方向の振動については、次の四つの法則がある。
1.張力が一定なら、振動数は弦の長さに反比例する
2.張力と長さが一定なら、振動数は弦の太さに反比例する
3.長さと太さが一定なら、振動数は弦の張力の平方根に比例する
4.他の条件が等しければ、振動数は弦の密度の自乗に比例する
これらの法則は、ソノメーターという装置により証明できる。ソノメーターは、われわれの時代から600年ほど以前に、ピタゴラスによって考案されたといわれている。
 
116
to
120
Pipes with fixed Mouth-pieces

固定マウスピ−スを有する管
固定マウスピースを備えた管は、木や金属、矩形や筒型のものがあるが、常に断面に比べるて、相当の長さを有している。フルートやオルガンパイプなどが、これの仲間である。このたぐいの管を、図に示す。   
121
to
123
Reed Pipe

リード・パイプ
リード・パイプのマウスピースは、「リード」と呼ばれる振動する舌を有しており、これにより大気に振動を与える。クラリネットやオーボエなどがある。
124 Bellows

ベローズ
図は、管を鳴らすための、ベローズ(蛇腹)と呼ばれるものである。梃子によって動作する。空気はバルブSから流入し、革製の空気だめRに入る。空気だめの上部は、押さえられていて、演奏者の弁の開閉により、管に空気が流入するようになっている。
125 Conical Mouth-piece

円錐状マウスピース
トランペットやホルンのような楽器では、円錐状のマウスピースが使われている。その中では、音楽家化の舌が、リードの代わりに振動する。  

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