[ 人命はCO2より重いか? ]
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誰も話題にしていませんが、集団健忘症にでも罹ったのでしょうか。
以前にも、回転ドアを巡る事故が多発した時代があったのです。もう40年以上も昔のことです。高度経済成長が始まったばかりの頃です。ホテル、百貨店などが続々とこのドアを採用し始めたのです。当時は、現在のような省エネ目的というよりは、高級感の演出[見栄]が主目的だったようです。小金持ちの象徴として、つまり帝○ホテルや日本橋○越の猿真似ですね。一種のブームになり、この曲芸的ドアは北関東の地方都市にまで進出していました。
その結果全国的に、事故が多発しました。当時は強制駆動式ではなく手動式だったのですが、死亡事故も報道されていたような記憶があります。日本人の足腰ではこの雑技をこなしきれなかったのです。間もなく、このタイプは一斉に姿を消しました。代わりに登場したのがスライド式の自動ドアとエアカーテンの組み合わせです。ただこの方式はエアの遮断効果が不完全です。更に、吹き付けてくる風が、通行するヒトに不快感を与えます。
最近再び、回転ドアがどんどん普及しだして、不安を感じていました。この第二次ブームの根源はオイルショックあたりのはずです。エコとかグリーンとかの外見を装ってはいますけど、要するにコスト[ゼニ]の問題です。合理化がここまで徹底すると、ビル(しかも超巨大化してきた)の冷暖房経費が、決定的に「採算性」を支配するようになって来たのでしょう。メーカーのサイトを見ると、「空調経費が激減する」と謳っている例も多いようです。
そもそも、あの回転体の角速度は誰に合わせているのでしょうか。ボブ○ップなのでしょうか、それとも杖をついたご老人なのでしょうか。体力だけではありません。ユークリッド的平面に棲む人間には、回転するものに対して空間自己定位ができる回路がありません。すると危険性を誤認してしまうのです。「まだ大丈夫だろう」症候群ですね。テバはなるべく傍らのスウィング式のドアを通るようにしています。ただでさえ老人力向上中の身ですから。
安全基準やフェイル/フールセイフ機構が不備だったということは、昨日初めて知りました。40年前は高齢者の事故が多かったと思いますが、今回は小さな子供・・・痛ましい限りです。
2004/03/28(Sun)
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