☆★☆- ホンの幕間 -☆★☆

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[ ジュニアの戦場(いくさば) ]
やっぱり始めてくれました。世界の大方の期待を裏切らない、さすがはあのジョージのジュニアです。ところで、あのフライシャーとかいうホワイトハウスの報道官、結構やって見せてくれました。会見室にズカズカと入ってくるや、

 フ「米軍はイラクの武装解除に着手しました」

の一言で、サッと振り返って立ち去りました。質問拒否です。この報道官は、まばたきをしないことが気になっていたのですが、本当に一瞬の記者会見でした。多分、その寸前、オーヴァルルームではこんなやりとりがあったのでしょう。

 フ「ねえ、ジュニア、あなたの演説の前にやりたいことがあるのだけど」

   ・・・・・・・・・・・

 ブ「うん、まあ、そんなことなら、やってみたらいいんじゃないの」

フライシャー君て、名前ばかりじゃなくて、頭髪もゲルマン系なんですよね。ゲルマンのウィットというかユーモアのセンスまでご披露してくれるなんて、素晴らしい。好きになりました。さすが唯一的超大国の報道官ではあります。

極東では、某・上州選出の官房長官が、「ボクもやってみたいなー」なんて身もだえしているんでしょうが、どっこい、農耕養蚕民族はそんなドライさにはついてきてくれません。くやしいだろうけど、我慢だよヤッちゃん。

で、N○Kのアナウンサーも思わず「皆様お待ちかねの・・・」(という噂もあった)戦争が始まったのでした。例のEさんも(髪型ともども)お元気そうです。12年前と何にも変わっていません。睡眠不足にご注意を。

 こよみのみ 移り替われる 12年
        諸行無常の  髪ぞ空しき

ところで本日、A教授の退官に際しての最終講義がありました。その司会進行役はB助教授だったのですが、何と、遅刻しているのです。仕方なく懇親会担当のC助手がマイクを握ります。でもぎりぎりで、Bさん、間に合いました。曰く、

 B「テレビを見ていたのではありません。車が混んでいたのです」

なるほど、このようにエクスキューズすることになったのですね。
2003/03/20(Thr) 晴れ


[ ニッチな世界 ]
朝のラッシュの永田町駅で、例によって大階段下りをしていたら、前方に怒鳴る声がありました。よく見ると垢に汚れたおぢさんが、左手に紙袋を二つ三つ提げ右手に傘を二本ほど持って、大声を出しています。その主張するところは大略、エスカレータ上に立ち止まるな、みんな何をモタモタしているのだ、暇人め、ということのようです。

しかし、どこからどう見ても、電車の利用者ではありません。むしろ週刊誌や新聞や傘を回収してまわっているという様子です。この改札の内側には、通勤客を除くと、駅員さんと売店の売り子さん位しかいないはずなのに。こう考えると、駅の奥の院というトコロも結構サクバクとした世界ですね。通勤客を消してみると、ガラガラです。

このごろの駅は、駅員もろくに配置していないません。だから本当に、このおぢさんと売り子さんしかスミカにしていない、と言っても過言ではありません。おぢさんと売り子さんの立場の違いは明らかです。売り子さんは通勤客を怒鳴りつけたりはいたしません。したがって、互いに干渉することなく、大きな空間を棲み分けることができるのです。

通勤客は、別段、駅に定住したいとも思ってませんから、これも棲み分け可能なのですね。これらに君臨すべき猛禽類は駅員なのですが、絶滅寸前です。故にここは、生態学で言うニッチ(隙間)が豊富な世界なのですね。とこうするうちにホームに到着。ここで電車がなかなか来ない。よく見ると○時33分の電車が、38分なのに来ていないのです。

時刻表示のその下に「次は営団の電車が来ます」とありました。初見ですが。どう考えても、半蔵門線は営団の路線です??? 待つこと暫し、「清澄白河駅」と行先表示された電車が来ました。今まで水天宮行きが最遠と思っていたのに・・・、目前に平家物語を見るような幻覚を覚えます。恐ろしきは世のうつり変はれる有様かな、です。

それにしても、ついに東武伊勢崎線ともつながってしまったのですね。したがって、半蔵門線とは名ばかり、大部分の電車は東武か東急ということになります。そこに危機を感じた当局が、「営団の電車」を強調する挙に出た模様なのです。しかし今や営団は、NTTと同様の「市内線貸し業」になったことは明らかです。遠距離郊外通勤者様万歳です。

都心の地下鉄路線、これは全てがニッチに富んだ世界だったのでした。
2003/03/19(Wed) 晴れ


[ タリフ・ディスカウント・カンタータ ]
タクシーの運賃は、運転手さんの機嫌で決まることを実証してしまいました。千代田区某所から横浜市某所まで、そう、通常の相場は高速代700円也を加算して、ウン千円台の後半です。どのようにして運転手さんに取り入ったのか、後学のためにお教え申し上げましょう。まず、当たり障りのない時候の話題からいきましょね。

 テ「いや、寒いこと寒いこと。春は名のみのウソ一番でヤンすネ」

運転手さんが話を花見に振ったなら、すかさず二の矢です。

 テ「しかし、最近の若いモンと花見してもつまらない。花見馬鹿がいないから」

といきましょう。ついで、時代の変遷、社会の変化、ま、これで横浜まで保つわけがないので、ついでに年金の受給年齢と受給金額のことなども話に出してしまいましょう。N○Kをよく見ている運転手さんは、間もなく満61歳を迎えられるようで、来年の春からは、働いただけ年金が減るとのことです。テバにも参考になるので熱が入ります。

川○市を通過中、左手に、あのPC等でも高名なN○C本社ビルが、煌々と輝いているのを横目に見つつ、ああいう会社は儲かっているのか、それとも危ないのか、などと打ち興じたりもします。もうすぐ目的地ですから、ここで駄目を押しましょか。あのタクシー黄金時代の回想譚をお願いします。テバトロン向きだったのかも知れませんが。

ここからは、僅かな合いの手以外は不要です。語り部は運転手さん、客は良い聴き手に徹するべきですよ。

 「少なくとも客を選べたよね」

 「酔っぱらいとか女の客なんか、絶対乗せてやんなかったよ」

 「年収が340万円(手取り!)も多かったんだ」

 「もう一度だけでよかったんだ。ヤメる前にあんな時代を経験したかった」

 「政治が悪いんじゃない。みんなが悪かったんだ」

こんなことで、無事到着しました。でも、着いてみたらメーターは660円でありました。運転手さん、実車になってからず〜っと、メーターを倒すのを忘れていたんですね。安い! とは思いました。でも、善処しました。あ、それから、高速代も払いましたよ。テバのギャラは「0」でしたけど、まぁ〜、久しぶりにオチもついて、楽しかったのでした。

テバ註:「カンタータ」とは、もっぱら、楽曲の一形式のように誤解されてます。バッハなんかを思い浮かべるヒトも多いでしょう。しかし、それは完成した神学のマジックです。バッハが、いきなり天国の階段(梯子)の最上階(段)に登場したなんてことを、信じる方がおかしいのです。

テバ説です。哀調を帯びた膨大な民話群があり、そうしたものの背景を成したある旋律群があったのです。全くの新説なんですよ。でもそういう意識で。誰のでもよいから、カンタータを聴いてみてください。その旋律の前面には、ある(このような)庶民の情景が浮かんでくるはずです。
2003/03/10(Mon) 晴れ


[ 故障なし? ]
このごろのTVは非道いですね。率先して日本語を混乱させているようです。あの有料放送局でさえ、相当なモノです。優良な番組を作ってくれていると思うからこそ、我慢して受信料を払っていたのに・・・これからは「N○K様:間違い一回につき100円減額させて頂きます」、とでも玄関に貼り紙をしてやろうかな、と思います。あっ、テバランドは最初から無料ですから、減額なんてありませんよ。

いつかこぼしましたが、拉致被害者の家族を某著名大学の学生が招聘しておいて、「出演者の皆さま」とやりました。で、あとで気付いたのですが、某テレ○の田○が使っていたのですね。与野党の幹事長クラスを集めて「本日の出演者は・・・」でした。こやつが元凶だったのです。TVの奢りの極致のような用語誤用ですよね。そのうちに「○○県警本部長は、謝罪会見に出演し・・・」となるのでしょうか。

独り暮らしの老人が亡くなっていたのも、発見されたのではなく「発覚」したそうですし、白瀬隊の南極探検には「故障がない」カラフト犬を使ったことになるようです。カラフト犬とアイボの区別がつかなくなってしまっているのでしょう。そういえば、N○Kも料理番組に出ているアナは程度の低いのが多いですね。平気で「ら」抜き言葉を使ってます。「こうすれば美味しく食べれますよね」という調子。50過ぎのくせに。

[ここで、近所のたばこ屋に行ってきました。ばあさん(正しい日本語では看板老女)が、ガサゴソとカートンを開けようとするので、面倒くさくなってカートンで買ってしまいました。帰ってから袋をのぞいてみたら、100円ライターが1ヶ入ってました。ってえことは4%引きに相当するわけです。日本ではタバコを割り引いて売ると、販売免許を取り消されるそうですが、この方法ならJTのお怒りもかわないのでしょう]

そんなわけで、日本語の現状に絶望しているテバなのですが、そこで例の翻訳エンジンをテストしてみる気になったのです。そんなに高度な問題を出しては気の毒です。そこで俳句の世界でやってみましょう。

 古池や かわずとびこむ 水の音

でやってみました。すると、

 Old pond
 The frog jumps into it
 Sound of water

と、なりました。そんなに悪くないような気がするのは、テバの語学力の限界でしょうか。少なくとも、日本のマスコミの連中よりはコトバの能力は上のようですね。このたった10万円のソフトが、ですよ。

噺家(はなしか)というものは、そもそも芸人でありました。芸人というものは、元来、それほどの高額所得者ではなかったのです。「あなたは飲むとよく喋る。しかし良いことは喋らない」ってえのは、英語圏では定説ですよね。キャスターなんかで年間数億円を稼ぐのもいますが、誰が払っているのでしょう。「あなたはTVを見るとよく笑う。しかし幸せになることはない」、じゃないでしょうか。

 啓蟄の 虫吹き飛ばせ 春一番
2003/03/08(Sat) 晴れ