[ まだ白鯨を読んでます ] |
もうすぐ一ヶ月になりますが、まだ上巻です。少しずつしか読まないようにしているのと、気に入った箇所には何回でも立ち帰っているからです。若い頃は本当にモノを粗略に扱ったものだ、と思います。まったくもって失礼しました!
それにしても阿部先生の訳、これがまた、読めば読むほど味が出てくるのです。
There you stand, lost in
the infinite series of the sea, with nothing ruffled but the waves.
The tranced ship indolently rolls; the drowsy trade winds blow;
everything resolves you into languor.
[その時君の身は、幾重の蒼波のほかに何一つない海原の広芒の中に融け込む。船は夢見るようにのたりのたりと揺らぎ、まどろむような貿易風は吹き流れ、君を取りまくものみなが駘蕩たる懶さのなかに誘う。]
わかりました!
なぜ、白鯨を読み始めたのか。海から切り離されたことの代償作用だったのです。しかしながら、代償は代償でしかありません。読めば読むほど欲求不満は募ります。仕方がない。行きましょう。海へ。エイハブ船長とピークォド号が待つ、我が南海のナンタケットへ、我がモゥビ・ディクを求めて。
というわけで、行ってまいります。
2002/01/10(Thr)
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