<テバコラ 第17話>


☆アジアな風景☆(2000/01/19)


欧米とアジアの景観、というお題で議論を聞く機会がありました。

今回は少々まじめなレポートです。


「おじいさま」の代から畳を知らない、というハイソな某女流エッセイストが、

口火を切ります。日本の景観を台無しにしているもの、それは、原色の大きな

サラキンの看板、GS・中古車屋さん・パチンコ屋さんにズラリと並ぶ旗また旗、

団地に干された雑多な洗濯物・布団、原色のコンビニ、角々の自販機、海岸・湖沼

河川沿いの道路のガードレール、電柱と電線……と、まあ、清少納言も兜を脱ぐ

くらいの、羅列・オンパレードではありました。

しかも、スライド付きなので迫力満点です。時々、欧米の風景のスライドも交えます。

当然、キレイでキチンとしているという側の代表ですね。

日本人はどこか歯車が抜けていて……という総括でした。


その後、順繰り皆様のコメントがありましたが、テバが待っていたのは、

知る人ぞ知る、お魚のM先生(同じく女性)のコメントです。

何を言い出すのか、ワクワクドキドキです。


M先生開口していわく。高温多湿なアジアでは、すべてが腐敗・腐食していく。

現在目障りでも、長い目で見れば、諸行無常、いつかは必ず姿を消す。

何の問題かあらん。低温乾燥の欧米では、逆に、いつまでもそこにあるため、

いつもいつもきちんと片付けておかなければならないだけなのだ。

旗や干し物はどうか。これには、そこに生き、そこに暮らす人々の心根が

伺われるではないか。むしろ、ほほえましくも、いとおしい。

虫、魚、鳥、生きとし生けるものは、自分の生息場所が、他人から見て、

景観として美しいとか、醜いとかを気にしてはいない。

ただ、置かれた環境に必死に適応しようとしているだけだ。

ま、ガードレール不要論だけはわかる。

そこまで運転がへたな奴らは、海なと川なと落ちても構わん。


えらく乱暴な要約ですが、要旨ほぼ上述の通りです。


「アジアずき」のテバは、一挙に胸のつかえがスッと取れました。

改めて、M先生、好き・すき・スキ。

皆様のご感想はいかがでしょうか。