<テバコラ 第3話>



☆グルグル☆  1999/08/31(Tue)


<頭グルグル……しかし何度も読み返させる「日経」(8/30朝刊)の記事>

見出しは、「時代に『活』、挑戦企業」ということで、紹介されたのは、

荒川で水上バスを運航する海洋商船(本社川口市)という会社。

問題はこの会社の社長さんを巡って起こる。


最初に社長さんが登場するくだりは、

「…… ゆったり流れる荒川を舟運に使わないのは惜しいと、

早速悟社長が地元企業から出資を募り船を調達、……」

この記者は社長さんをいきなり「悟(サトル?)」と呼び捨ててしまった。


しかし、この社長さんもたいした方で、次の場面では、

早速社長は『行政も一般市民も、河川に対する考え方に変化が出てきた』と話す」

ような人で、相当のイラチの質と見える。

こんなことをわざわざ<早速>話さなくても良さそうなものをと思わせるところがある。


記者も社長さんのせっかちさが頭にきたらしく、とうとう、

「これまでは『川で移動する考えを持っている人が少なく、

どう宣伝していくかが難しかった』(早速社長)が、……」

と、こんな見たこともないト書きみたいな引用表現までしてしまった。


ここで読者(私です)は、この社長さんのフルネームが気になり、

何度も読み返したが、「サトル」という以外に記述がない。

この記事の取材風景が頭の中をグルグル駆けめぐり始めた。

これではいけないと、お茶を一口、もう一度腹を据えて読み返す。

もしや、と、光明がともる。


この「早速」というのが社長さんの姓だとすればどうだろう。

するとこの社長さん、少しもイラチではなくなる。

記者もごく平常な取材をしたことになる。

悪いのは読者(私です)ということになる。


しかしこんな姓があったとは……。

完敗の朝であった(-.-;)