<テバコラ 第6話>


☆パロパロ「妻をたんねて三千里」☆ (1999/10/13)

       *世界中年名作全集より*


イチロー・リン・マルコ・ロッシは、

秋田出身の26歳(推定)の新婚さんです。

名前から見ると、マカロニ系の中華風日本人のようです。

ちなみに大変きれいな秋田弁を話します。


どのくらい新婚かというと、狭い日本とはいえ、奥さんは東京、

イチロー君は新潟と、離ればなれに2年近い婚約時代を経た後、

この4月にやっと東京で一緒になれたばかりなのです。


ころが奥さんは、5月早々に留学のため、

アメリカ東海岸のある町に行くことが決まっていたのでした。

何という運命のいたずらでしょう。

奥さんを成田に見送ったその夜、人気のない暗い自宅に帰ったイチロー君は、

胸がキュンとなったと証言しています (/_;)


毎日毎日泣き暮らしていたイチロー君は、ある日、ある決意を固めます。

6月のボーナスを全部つぎ込んでも、アメリカ大陸に妻を捜しに行こう。

(本家の話のように、病に倒れたという便りがあったわけでは

ありません……念のため)


本家のマルコの時代と違って、旅客機という文明の利器に恵まれていた

イチロー君は、たやすく奥さんをたずね当てました。

そして、さっぱりした顔で日本に帰ってきたのです。

このまま立ち直り、少しは仕事でもしてくれるか、と周りは期待したのですが、

夏が過ぎ、秋風が吹く頃になるといけません。

再び妻をたずねる三千里の旅に発ったのです。

そして、再びさっぱりした顔で日本に帰ってきたのです。

(以下、季節の推移につれ、何回でもリフレイン可)


ところで、イチロー君は、身長180cm以上(推定)の体格です。

この彼(と彼のお尻)にとって、片道10数時間をエコノミーのシートで

過ごすこと4度、4ヶ月で一万二千里の旅は相当苛酷なものであったようです。

とうとう、彼はジローになってしまったのです。

今ではジロー・リン・マルコ・ロッシとなった彼は、

皆から「ジロー」と呼ばれています。


(原注) たんねて」とは「たずねて」の関西弁です。
奥さんが関西出身なので、当然、このようになります。