さて「gumlac」とは何だ、ということです。いろんな辞書にあたりましたが、出ていません。そこで、webで捜しました。AYUTTHAYA(アユタヤ)の歴史のところに記述がありました。例の、山田長政が異例の出世と悲惨な最期を経験した国ですね。そのまま引用します。

Throughout its long history, Ayutthaya had a thriving commerce in "forest produce", principally sapanwood (a wood which produces reddish dye), eaglewood (an aromatic wood), benzoin (a type of incense), gumlac (used as wax), and deerhides (much in demand in Japan).

で、結局、'gum'であり'lac'なのですね。チューインガムとかラクトースの語根になってもいます。多分、私が子供の頃にはエナメルが使われていたはずです。総合的に勘案し「絹巻きエナメル銅線」としておきましょう。
明治6年、蒔絵師斎藤某は澳国維也納府(オーストリア・ウィーン)で油漆(ラック)法の技術を習得したそうです。大きく次の三種に分けられます。

第一類 アルコール製ラック:単にラックという。家具その他の器物を塗る。フレンチポリシとも

第二類 テルペン製ラック:邦国にてはワニシまたはニスと。馬車その他の器物を塗る。各種の樹脂から製造する

第三類 乾性油製ラック:邦国にてはゴム塗りと。皮革棉布を塗る。原料は亜麻仁油

ワニスというと第二類というような感じですが、細くて柔軟であるということでは第三類のような気もします。