静電気と動電気という二つの異世界、これに長く混迷していた「科学界」でありました。しかしついにエルステッド(Ersted)登場です。電気と磁気は、一つの壮大な世界に同居していたことを発見したのです。これは近代電磁気学の誕生であるとともに、自然哲学と呼ばれていた亜分野を、物理学という独立分野に昇格させた出来事です。重力と加速度の等価原理に匹敵する発見です。

Ganotの教科書は、注意深く分けて扱っています。それでも、静電気の最後に登場する図版「オーロラ」を説明するには、「電磁気」という統一理論が必要でした。
原語表記では Ørsted です