蜃気楼は、異常な屈折と完全な反射に依存する、大気の現象である。
大地に接する大気の層が反射体になることがある。こうした場合、大地の一部は、旅行者にとって、湖や池のように見える。かかる状況は、暑さのきびしい砂漠の国々において頻繁である。幻影が強力になると、木々はしばしば、これらの見かけ上の池の表面から反射されているように見える。この種の例を図に示す。図の左端の木の頂部より来たれる光線は、図のaすなわち大気の層で完全に反射され、テントのところに佇立せる観察者の目に達する。観察者は、木の頂部の位置を点線の反対側に見るので、木は見かけ上倒立する。この例においては、本来の木と幻影の木の両者がともに見える。