補償振り子の製作は、金属の収縮・膨張の原理によっている。振り子が振動に要する時間は、振り子の長さによっているので、これを単一の金属棒で吊るなら、振れる時間は絶え間なく変化する。
この欠陥を克服し、振動の一様性を確保するため、さまざまな工夫が凝らされたが、最も重要なものの一つが、図の「ハリソンの格子振り子」である。
棒a,b,c,dは、鋼鉄製である。棒dは、パーツorのところは自由に動くが、パーツmnにはしっかり取り付けられている。hとkの棒は真鍮製であり、mnにもorにもしっかり取り付けられている。
各パーツが適切に調整されるなら、収縮の合計は膨張の合計に正確に一致し、振り子の長さは一定に保たれる。