ある物体に入射した熱は、二つの部分に分かれる。すなわち、吸収されるものと、反射されるものである。この分かれる割合は、物体の性質と表面の状態によって変わってくる。
 ……
図はレスリーによってなされた実験である。彼は沸騰した水の入った錫の箱を、放物面反射鏡の前に置いた。反射鏡に達した熱線は焦点Fに集まろうとする。しかし、焦点と鏡の間に物体の板を置き、熱線を遮ると、反射され別の所に焦点を結ぶ。これを差動温度計によって計測する。